中国の独立した第三者機関による医療検査業界におけるトップ企業である、アディコングループ(艾迪康、Adicon Holdings Limited)は、9月9日に蘇州高新区と協力協定を結び、同区にてアディコン長江デルタ地域本社の建設に15億元を投じる計画を発表した。また、同計画には、年内に完工予定の生命健康小町(ヘルスケアタウン)にて全科臨床医療検査センター、特別検査センター、研究開発センター及び新型コロナPCR検査センターを建設するなどの内容も含む。
締結式の様子
締結式当日、曹後霊・蘇州副市長が徐可・アディコン社長一同と面談し、契約の締結に立ち会った。
面談の様子
曹副市長は、アディコンを始めとする第三者医療検査機関がPCR検査を提供する機関として、コロナ禍の第一線で活躍してきたことを称賛し、今回、蘇州高新区にて長江デルタ地域本社を建設することで、現地の医療機関と提携してウィンウィンの関係が構築されることに期待を示した。
曹後霊・蘇州副市長
徐社長は、蘇州市及び蘇州高新区による信頼と支援に感謝し、自社の事業内容及び現状、今後の方向性について具に説明を行った上で、「産業基盤やビジネス環境が整備された蘇州市では、ヘルスケア産業が成長しやすく将来性を感じるため、戦略的に立地を決めた。当社グループは、長江デルタ本社の建設を加速させ、蘇州市民の方々の健康のために精密な医療検査サービスを提供する事業を積極的に立ち上げ、長江デルタ地域への放射を加速させていくように努力したい」と述べた。
徐可・アディコン社長
締結された協定には、「アディコン長江デルタ地域本社プロジェクトは、第1期では5億元を投資し、完成後、地域本社としてのサービス能力をさらに高める上で、同社グループのグローバル戦略を推進する。今後3年間で、売上規模が約6億元に達し、約1,000の医療機関と患者を対象に高度の医療検査サービスを提供することが期待される。第2期では、10億元を投資して30,000㎡の大規模な国際化した臨床検査センターの建設を計画している」といった内容が記載されている。
アディコングループは第三者機関による医療検査業界において、20年近くの実績を積み上げており、中国における同業界のトップ企業として全国で30の医学実験室を開設し、2,800項目以上の検査を行っている。さらに、40,000以上の医療機関と提携し、1日約30万人に診療サービスを提供しているという。
近年、蘇州高新区は先端医療機器やバイオ医薬品といったヘルスケア分野の投資誘致に注力し、年平均成長率を30%前後に維持することで、同分野におけるサプライチェーンが形成されつつある。
2021年9月現在、蘇州高新区には400社以上のバイオ製薬企業が集積しており、年間生産高が200億元を上回る。また今後の目標として、毎年200社ほどの先端医療機器及びバイオ医薬品製造企業の誘致を推進し、「十四・五」期間中には、1000億級のヘルスケア産業集積拠点を建設することを掲げた。
今回、アディコン長江デルタ地域本社の設立は、当区のヘルスケアサプライチェーンをさらに充実させ、地域社会の更なる発展に寄与することが大いに期待される。
出典:「中国トップ第三者医療検査機関、蘇州高新区にて長江デルタ本社設立」(蘇州高新区日本事務所)