うららかな春の日が来て、のどかな風にそよぐ柳が芽生え始めた。よい天気が数日も続き、まるで戸外に行って春を迎えようと人を惹きつけるようである。春を迎えると言えば、蘇州ではいろいろ「迎春」体験が楽しめる。
春の野菜
香椿卵炒め(写真・蘇州市文化放送と観光局ウェーチャット公式アカウント、以下同)
香椿(チャンチン)は早春の美しい景色の一つ。その新鮮で柔らかい香椿を食べて「一口目」の春を味わう方が多い。最近、香椿が野菜市場に出回り始め、価格が肉よりも高いが、旬の食べ物を好む蘇州人はその誘惑に耐えれらなく、その「一口目」を試す人が少なくないだろう。一撮みの香椿に卵液を付けて炒めるだけで、不思議ほどの美味しい香椿卵炒めが出来上がる。
「七頭一脳」
枸杞頭(「頭」はこの野菜の先端の部分を差し、以下同)、馬蘭頭(捩菖蒲)、小蒜頭(ラッキョウ)、金花頭(ウマゴヤシ)、薺頭(ナズナ)、豌豆頭、香椿頭、菊花脳(学名はC. nankingense、中国原産の植物)という「七頭一脳」と称される野菜グループはよく春の季節に蘇州人の食卓を「制覇」する。
そのほかに、これから旬の食べ物が次々と登場してくる。
春の花
春節が終わり、梅の見頃を迎えた。規模から言えば、「香雪海」「林屋梅海」などの「花の海」のような花見名所もあれば、園林、公園の隅に寒さに負けず静かに咲いている一本の梅もあり、どちらも足を止めて楽しめるのに値する。梅に続き、桜、桃、アブラナ、梨、海棠、チューリップ…いろいろな花が咲いてくる。蘇州植物園で桜、馮夢龍村で桃の花、同里北聯村でアブラナ、樹山生態村で梨の花が咲くので、足を運んでみないか?
春の野外
いちごの季節に蘇州周辺の果樹園に赴き、まっ赤ないちごを摘みとり、その場ですぐたべてみたら、甘くてたまらない。しばらく経つと、人に驚かせるほど香りがするピーローチュンが出回るが、憩いの時にのんびりと一杯の新茶を味わおう。
飲食で満足したら、次は山登りに行こうか。穹窿山、太陽山、漁洋山…春になると、蘇州の山々が緑の装いに変装し、所々で生き生きと活力があふれる。階段をのぼり、一歩上がれば目に映す景色も変わり、周りは蒼い松や翠の竹、さらさらと流れている泉、見下ろせば、峰々が幾重にも重なりあい、あぜ道が縦横に通っており、なんと美しい江南の田園風景だろうか。
あるいは太湖の辺に沿い、散策してもいい。湖水と空が一つに溶け合い、霧に霞んだ果てしない太湖は日差しを浴びると、水面がきらきらと輝き、眺めれば、気分が晴れ晴れになる。
春の庭園
拙政園(撮影:商震)
蘇州園林の中の春は一番詩の趣に富む。あずまやと楼閣の間に新芽が点在し、橋の両端、川の岸に赤い花が顔を見せている。拙政園、獅子林、留園、網師園、滄浪亭、可園…どの園林に行っても美しい景色を満喫できる。
春の古鎮
古鎮・同里
もちろん、古鎮を回って、春の雰囲気を感じるのも楽しい。周荘、同里、甪直など、蘇州の水郷や古鎮は、この花が咲き、木々が芽吹く時期に江南水郷の情緒がさらに色濃くなる。