ルーブル美術館に登場する蘇州刺繍

フランス世界無形文化遺産展が11月2日から11月5日まで有名な芸術の宝庫であるルーブル美術館で開催された。姚建萍刺繡芸術館が招待され、出展し、江南文化の名刺を一層輝かせることに助力し、中国と世界各国の手工芸術文化の交流を促進し、東方と西方の芸術交流の新たな１ベージを描いた。

イタリアルネサンス期に活躍した画家レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた油絵の「モナリザ」は現在、フランスのルーブル美術館に所蔵されている。

姚建萍刺繡芸術館からの出展作品のうち、2000年に完成したものである蘇州刺繍作品の「モナリザ」が油絵、撮影、彫刻、中国画、書道の線、構造、色彩、光と影の変化を一体にし、伝統的な刺繡針技術と有機的に結びつけたもの。当該作品は姚建萍による蘇州刺繍芸術の肖像画の代表作の一つ。「異なる芸術表現形式ですが、夢幻的で神秘的な息吹が漂っており、文化はぶつかり合いと交流の中でより多くの相互作用と融合を実現するでしょう」と姚建萍氏は言った。

今回の展示会では、蘇州刺繍のソファシリーズ作品が初披露された。紹介によると、同シリーズのソファの黒い地色は深さ、神秘、高貴さを表し、両側の金色のカササギは、赤い嘴と黒い目、細い首と張られる胸と美しい姿をみせ、優雅に枝の先に立っている。黒と金のクラシックな組み合わせで、視覚からいえばより豊富に見え、全体の高貴さと優雅さを表現している。

蘇州刺繡芸術を伝承するためには、若者の力は欠けてはならない。一方、若者の力により、現代の蘇州刺繡芸術に無限の可能性が与えられた。今回出展された作品「刺繡布が切られるとは」は若手アーティスト姚卓氏が創作したもので、独特の「両面刺繡」の技法を使って刺繡し、そして完成した刺繡を切り抜いて再構成した作品である。刺繡の技法を含んだ刺繡の布が切り取られると、それまでの緻密な工芸バランスが崩れ、ランダムに生成された創作となり、展示ごとに異なる様子を見せることで、技術そのものの表現と発言力を強調し、探求していくとのこと。

蘇州刺繍の生活化、ファッション化も今回の出展品のハイライトとなった。「錦時」敦煌シリーズの腕時計は、腕時計をキャリアとし、針を筆とし、糸を丹青（色彩）とし、幻しい時間の美しさを手首に刻みこんだ。図案デザインは唐代の敦煌莫高窟の藻井（中国古代建築の天井の一種）図案からインスピレーションを得た。蘇州刺繍で敦煌の藻井図案を表現し、１本の糸の64分の1を使って刺繡し、無限の思いと美しさを訴えているようである。